国語・短歌(北海道公立高校入試問題)
次の文章を読んで、問いに答えなさい。
A 秋き来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる (古今和歌集)
(歌の意味) 秋が来たと目には( )見えないけれど、風の音で自然に秋が来たと気がついたことだ。
B 吹く風の色こそ見えねたかさご高砂のを尾のへ上の松に秋は来にけり (新古今和歌集)
(歌の意味) 吹く風の色は見えないけれど、高砂(地名、松の名所)の峰の松には、確かに秋がやって来たことだ。
(解説) この二つの歌は、どちらも立秋(暦の上で秋になる日)をよ詠んだものです。
Aの歌は、古今和歌集の秋の部の最初に載せられている歌で、広く人々に親しまれてきました。
Bの歌は、Aの歌をもとに、それを取り入れながら、新しいものを加えて自分の歌として詠んだものです。このような歌の詠み方を本歌取りといいます。
問一 ( )に当てはまる現代語訳として適当なものを、ア〜エから選びなさい。
ア はっきりとは イ さわやかには ウ さわがしくは エ しみじみとは
問二 Bの歌で、係り結びを用いて強調している部分は第何句ですか、書きなさい。
問三 A、Bの歌を対比して次のようにまとめました。 @、Aに当てはまる語句を、歌の中からそれぞれ三字以上、六字以内で書き抜きなさい。
秋 の と ら え 方 の 特 徴
A 目には見えない秋の到来を @ によって自然に大きく感じとっている。
B 高砂の峰の松を新たに加え、そこに吹く風によって秋を具体的に感じとっている。
類 似 し た 表 現
A 秋来ぬと 見えね 風の音
B A 見えね 風の色