国語・古典(富山県公立高校入試問題)
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
@ 旅の具多きは道ざはりなりと、物皆払ひ捨てたれども、夜の料にとかみこ壱つ、合羽やうの物、硯、筆、かみ、薬等、昼笥(ひるげ)なんど物に包みて、後に背負ひたれば、いとどすねA よはく力なき身の、後ざまにひかふるやうにて、道猶すすまず、ただ物うき事のみ多し。
くたびれて宿(借りる)かる比や藤の花
【松尾芭蕉「笈の小文」より】
注1 夜の料 夜寝るための物。夜具など。 注2 かみこ 丈夫な和紙で作った衣服。 注3 昼笥(ひるげ) 弁当箱。
1@ 旅の具多きは道ざはりなり とありますが、これはどういうことを言っているのですか。書きなさい。
2A よはく を現代の仮名遣いに直し、ひらがなで書きなさい。
3 本文について書かれた次の( )の中の鑑賞文を完成させなさい。ただし、( A )には、あてはまる本文中の表現を六字で入れなさい。( B )にあてはまるものは、あとのア〜エから選び、記号で答えなさい。
筆者は、俳句を詠みながら旅を続けている。その足取りは重く、( A )とあるように、旅は思うようにはかどらない。宿に入ろうとした時に、目にとまった( B )の「藤の花」は、筆者の心に旅のわびしさをいっそう深く感じさせた。
ア 夜明け イ 真 昼 ウ タ暮れ エ 真夜中