国語・古典(静岡県公立高校入試問題)
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
(注)内膳正、唐半弓を求め得て秘蔵有りける。その(こしらへ)誠に1 和工の及ぶ所にあらず。矢の飛ぶ事、大弓に等しく、堅き物を抜ける故、常に愛して座右に置かれける。
しかるに、内膳正留守に、近習の小坊主、この弓をもてあそびて過ちて引き折りたり。主人の秘蔵の事なれば、唯にはあるまじと、先づ小坊主を押し込め置き、内膳帰宅の節、2 その次第を申しけるに、案の外機嫌悪しからず。
「武家に仕へる者は、仮初めにも武に馴るる事本意なり。その小坊主、戯れにも弓を取りてみる事奇特なり。肝要の節引き折りたらば、日ごろ嗜みたる詮なかるべし。かれが折れたるは内膳が吉事なり。」と申され、3 事済みけるとぞ。
(注) ここでは、江戸時代に老中をつとめた板倉重矩のこと。
問一 傍線( )部を現代かなづかいで書きなさい。
問二 傍線部1はどういうことを意味しているか。次のア〜ウの中から、最も適切なものを一つ選び、記号で答えなさい。
ア 日本の技術は中国よりも優れている。 イ 中国の技術は日本よりも優れている。 ウ 日本の技術は中国と同等である。
問三 家来たちは傍線部2でどのような出来事を報告したのか。報告した出来事を書きなさい。
問四 内膳正が傍線部3のように終わらせたのはなぜか。その理由を、内膳正が述べていることから読み取って、二つ書きなさい。