解答と解説
(1) a かえで c こずえ (2) ? イ ? 二(箇所) (3) ア
(4) A 西 B ウ (5) エ
<現代語訳>
台所にあるかえでの木を見て、「『この木には秋のきざし(がある)』と感じられて(見ていましたが)、初めて紅葉した一枝が、ございましたのに見えなくなりました。」と、内侍のうちの誰であっただろうか、言ったのを、頭中将が、「どのあたりの枝でしょうか。」と、こずえを見上げていると、「西の方の枝でございましょう。」と、ある殿上人が言った。たいそうすばらしい。
清和天皇の貞観の時代、弘徽殿の前にある木の、西の方の枝が、紅葉し始めたのを、藤原勝臣が詠んだ歌、同じ枝を分けて木の葉が色づくのは、西の方角が秋のはじめ(を示す方角)だからだなあ。とある昔の古歌を思い出したからだろう。
(1) 語頭以外の「はひふへほ」は「わいうえお」に直す。
(2) ? 「この木に・・・・・失せにけれ」と「西枝にこそはべらめ」の二箇所。会話の後の「と」に着目する。
(3) 本当に枝の西の方が紅葉していたわけではなく、古い歌の内容を引用してとっさに答えるという機転を働かせたのである。
(4) 「西の方の枝、もみぢはじめたりけるを」を参考にする。