解答と解説
1 あてがわざるゆえ 2 (例)新しい礼服の肩を食い破った(こと。) 3 ア 4 ウ
<現代語訳>
ある人が正月の準備だとして、礼服を新しく作って置いたものを、ねずみが肩のところを食い破ってしまった。それを妻などは気にして、その家臣などは、怒って騒ぎ、「憎いねずみの仕業だ。ねずみ狩りをしよう。」と、集まって騒ぎ立てていたのを、主人が厳しく制して、「ねずみは糊がついているものを食べる傾向にあるものだ。食事をあてがわなかったので、このようなこともしたのだろう。全く気にするべきことではない。今から食事を与えよ。」と強く申しつけ、「決してねずみ狩りなどしてはいけない。」ときびしく申しつけた。こういう男であるからか、まもなく事のなりゆきもよくなり、またねずみもこのような悪事を後々は、しなかったということだ。
1 語頭以外のハ行はワ行に。ワ行の「ゑ」はア行の「え」に。
2 ねずみがしでかしたわるさのこと。ねずみは新しい礼服の肩をかじって、破ってしまったのである。
3 「さらに」は、あとに否定の語を伴って、「全然」という意味を表す。「心にかく」は、「心にとめる、気にする」などの意。
4 アは「妻の忠告を受け入れ」が、イは「ねずみ狩りをすることによって」以下が、エは「ユーモアを解する心」などが誤り。