国語・古典(沖縄県公立高校入試問題)
次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、あるとき思ひたちて、ただ一人、徒歩より詣でけり。極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。
さて、かたへの人にあひて、@「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて、たふと尊くこそおはしけれ。そも、まゐりたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へAまゐるこそ本意なれと思ひて、山までは見ず。」とぞB言ひける。
少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。
注 「石清水」=石清水八幡宮。
「心うく覚えて」=残念なことに思われて。
「かたへの人にあひて」=仲間に向かって。
「ゆかしかりしかど」=(それを)知りたかったけれど。
「先達」=案内者。
問1 文章中の傍線部@「年ごろ」の意味はどれか。次のア〜エのうちから最も適当なものを一つ選んで、その記号を書きなさい。
ア 結婚適齢期 イ 年齢 ウ 長年の間 エ 年老いて
問2 文章中の傍線部A「まゐる」は、現代かなづかいではどう書くか。すべてひらがなで書きなさい。
問3 文章中の傍線部B「言ひける」は、だれが言ったのか。次のア〜エのうちから一つ選んで、その記号を書きなさい。
ア 仁和寺にある法師 イ かたへの人
ウ まゐりたる人 エ 作者
問4 この文章で作者が最も述べたいことは何か。次のア〜エのうちから最も適当なものを一つ選んで、その記号を書きなさい。
ア 少しのことでも案内者はあってほしいものだ。
イ 一人で歩いて石清水までもう詣でることが大切だ。
ウ 極楽寺・高良などを拝んで満足すべきだ。
エ やりたいことは最後までやりとげるべきだ。
問5 この文章は『徒然草』の第五十二段に収められている。その作者はだれか。次のア〜エのうちから一つ選んで、その記号を書きなさい。
ア 清少納言 イ 紫式部 ウ 吉田兼好 エ 松尾芭蕉