解答と解説
1 すみたまいけり 2 ア 3 b 4 エ 5 ウ 6 (例) 母の長寿(をいのる)
<現代語訳>
むかし、男がいた。(男の)官位は低いが、母は天皇の娘であった。その(男の)母は、長岡という所に住んでいらっしゃった。子(=男)は京で官仕えをしていたので(母の所に)参上しようとしたけれど、たびたびは参上できなかった。一人っ子でさえあったので、(母は子を)たいそういとおしく思っていらっしゃった。ところが十二月のころ、急な用事といって母からお手紙が来た。おどろいて見てみると歌があった。
年老いたので避けられない別れ(死別)があるといえば、いよいよ会いたくなるあなた(我が子)であることよ。この子は、ひどく泣いて歌を詠んだ。世の中に避けられない別れがなければなあ、何年でも(長年)生きてほしいといのる人の子のために。
1 語頭以外の「はひふへほ」は「わいうえお」に直す。
3 a b cの主語は男(子)、bの主語のみ母である。
4 「ばかり」には限定(〜だけ)と程度(〜くらい)の二つの意味がある。この場合は程度を表す。
6 「千代」は千年の時代くらい「長い年月」ということ。