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国語・古典(鳥取県公立高校入試問題)

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いつの頃にやありけん、長崎の町家の礎(いしずゑ)になしたる石あり。1 不断水気2 うるほひ出でしを、唐人見て、右石をもらひたき由申しければ、「子細ある石ならん」とその主人これを惜しみ、礎を取り替へて取り入れて見しに、とこしなへにうるほひ水の出でるにぞ、「これは果たして石中に玉こそありなん」と色々評議して、3 ふちより連々にと研ぎ取りけるに、誤つて打ち割りぬ。その石中より水流れ出でて小魚出でたるが、たちまちに4 死にければ取り捨て済ましぬ。そのこと、あとにてかの唐人聞きて涙を流してこれを惜しみける故くはしく尋ねければ、右石は玉中に蟄(ちつ)せしものありて、玉の損ぜざるやうに静かに磨きあげぬれば千金の器物なり。惜しむべし、5 惜しむべし、といひしとや。
世に(注)蟄竜などいへる類ひもかかるものなるべしと、かの地に至りし者語りぬ。

 

(注)○蟄竜……地中に隠れ潜んでいる竜。今の状況に身をまかせながらも、活躍の機会をじっと待っている英雄のたとえなどにいう。

 

問一 1 不断 は「ふだん」と読みますが、これを、漢文の学習で得た知識を用いて「たえず」と読むこともできます。「たえず」と読めるように、解答用紙の「不断」に返り点をつけなさい。送りがなは不要です。
問二 2 うるほひ を現代仮名づかいに直して、書きなさい。
問三 3 ふちより連々に研ぎ取りけるに、誤つて打ち割りぬ。とありますが、適切な扱い方とはどういうものだったのですか。それを表現している部分を本文中から探し、二十字以内の現代文にして、書きなさい。
問四 4 死にければ とありますが、これを現代語訳したものとして最も適当なものを、次から一つ選んで、記号で答えなさい。
ア 死んだので  イ 死んだのならば  ウ 死ぬのならば エ 死にそうなので
問五 5 惜しむべし、とありますが、これは唐人の言葉の末尾です。その言葉はどこから始まっていますか。初め五文字を本文中から抜き出して、書きなさい。
問六 次の各文のうち、この話から読み取ることができることとして最も適当なものを、次から一つ選んで、記号で答えなさい。
ア すぐれた人物は、他人の話をよく聞き、的確に判断するので、めったに失敗をしないものだ。
イ すぐれた人物になるためには、常に自分の才能を磨く努力をおこたらないことが必要だ。
ウ すぐれた人物であっても、その才能がわからない人に用いられると力が発揮できないものだ。
エ すぐれた人物は、どのような境遇にあっても、必ず自分で能力を伸ばすことができるものだ。

 

この高校入試問題の解答と解説



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